災害は、いつどこで起きるかわかりません。
地震だけでなく、台風、大雨、洪水、土砂災害、停電など、私たちの暮らしにはさまざまなリスクがあります。
だからといって、特別な防災用品を大量にそろえる必要はありません。
まずは「水」「食料」「電源」「情報」「避難」など、生活を続けるために必要なものを少しずつ準備しておくことが大切です。
このページでは、家庭で最初に確認しておきたい「防災の10の基本」をまとめます。
1. 水を備える
災害によって水道が止まると、飲み水だけでなく調理にも水が必要になります。
飲料水と調理用水の目安は、1人1日約3リットル。
最低3日分、できれば1週間分を目安に、家族の人数に合わせて備えておきましょう。
例えば4人家族なら、1日約12リットル。1週間分となるとかなりの量になるため、一度に用意するのではなく、普段から少しずつ備蓄していくのがおすすめです。
政府広報でも、水は1人1日3リットル、食品は最低3日から1週間分の備蓄が推奨されています。
2. 食料を備える
非常食だけを特別に買いそろえる必要はありません。
缶詰、レトルト食品、乾麺、カップ麺、お菓子など、普段食べている保存しやすい食品を少し多めに用意しておきます。
古いものから食べ、使った分を買い足す「ローリングストック」にすると、賞味期限切れを防ぎながら無理なく備蓄できます。
カセットコンロとカセットボンベもあると、停電やガス停止時に温かい食事を作ることができます。
3. 明かりを確保する
停電すると、夜間の移動や室内での安全確保が難しくなります。
懐中電灯やLEDランタンを、すぐ取り出せる場所に用意しておきましょう。
乾電池式の場合は予備電池も一緒に保管します。
スマートフォンのライトも便利ですが、災害時には連絡や情報収集のためにバッテリーを温存したいので、照明は別に用意しておくと安心です。
4. 正しい情報を入手できるようにする
災害時は、正確な情報を早く入手することが重要です。
スマートフォンだけでなく、防災アプリ、自治体の防災情報、気象庁、テレビ、ラジオなど複数の情報源を利用できるようにしておきましょう。
SNSは情報収集に便利ですが、災害時には誤った情報が広がることもあります。
避難情報や災害情報については、まず公的機関から発信される情報を確認します。
5. 救急・衛生用品を備える
災害時には、すぐに医療機関を利用できるとは限りません。
絆創膏、ガーゼ、消毒用品、常用薬など、最低限の救急用品を用意しておきます。
さらに、マスク、ウェットティッシュ、手指消毒用品、トイレットペーパー、簡易トイレなども重要です。
政府広報でも、救急用品に加えてマスクや手指消毒液、ゴム手袋などの備えが紹介されています。
特に断水時はトイレが大きな問題になるため、飲料水や食料と一緒に簡易トイレも確認しておきたい防災用品です。
6. スマートフォンの電源を確保する
スマートフォンは、連絡、災害情報、地図、ライトなど災害時にも重要なツールです。
モバイルバッテリーを用意し、普段から充電状態を確認しておきましょう。
長時間の停電を想定するなら、大容量モバイルバッテリーやポータブル電源なども選択肢になります。
ただし、買ったまま放置するのではなく、定期的に残量や動作を確認することが大切です。
7. 衛生環境を維持できるようにする
災害時には、水道や下水道が使えなくなる可能性があります。
簡易トイレ、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、ポリ袋、マスク、歯みがき用品、生理用品など、家族が日常的に必要とする衛生用品も備えておきましょう。
眼鏡やコンタクト用品、乳幼児用品、介護用品など、人によって必要なものは異なります。
「非常用品」だけでなく、普段の生活で無くなると困るものを考えることも防災の一部です。政府広報も、眼鏡や生理用品など日常的に必要なものを意識した備蓄を勧めています。
8. ハザードマップを確認する
防災グッズをそろえる前に、一度確認しておきたいのが「自分のいる場所にはどんな災害リスクがあるのか」です。
自宅、職場、学校など普段過ごす場所について、洪水、津波、高潮、土砂災害などのリスクを確認しておきましょう。
国土交通省・国土地理院のハザードマップポータルサイトでは、住所や現在地から洪水・土砂災害・高潮・津波などのリスクを確認できます。2026年には指定避難所の確認機能も拡充されています。
→ ハザードマップポータルサイト
9. 家族の連絡方法・集合場所を決める
災害は、家族全員が自宅にいるときに起こるとは限りません。
学校、会社、買い物中、旅行中など、家族が別々の場所にいるケースも想定しておきましょう。
「どこへ避難するか」
「連絡が取れない場合はどうするか」
「最終的にどこで合流するか」
などを家族で一度話しておくだけでも、災害時の混乱を減らすことができます。
スマートフォンがつながりにくくなる場合も想定し、連絡先をスマートフォン以外にも控えておくと安心です。
10. 避難できる準備をする
自宅に危険が迫っている場合は、すぐに避難できる準備が必要です。
非常持ち出し袋には、水や軽食、ライト、モバイルバッテリー、救急用品、衛生用品など、避難時に最低限必要になるものをまとめておきます。
ただし、家庭の備蓄品をすべてリュックに入れる必要はありません。
「自宅で生活を続けるための備蓄」と「すぐに持ち出すための非常持ち出し袋」は分けて考えると整理しやすくなります。
また、自宅が安全な場合には、避難所ではなく在宅避難が選択肢になることもあります。そのためにも、水や食料など最低3日分、できれば1週間分を家庭に備えておくことが重要です。
地震への備えでは「家の中」も確認
地震の場合、防災用品だけでなく家具の転倒対策も重要です。
背の高い家具を固定する、重いものを低い位置に収納する、家具が倒れても出口を塞がないよう配置するなど、普段の住まい方を見直しておきましょう。
消防庁も、家具の固定だけでなく、就寝位置や出入口を塞がない家具配置を重要な対策として紹介しています。
また、大きな地震では停電復旧時などに電気火災が発生することがあります。一定以上の揺れを感知して自動的に電気を遮断する「感震ブレーカー」も対策のひとつです。
防災は「全部そろえてから」ではなく、できることから
防災というと、大量の防災グッズを用意するイメージがあります。
しかし大切なのは、特別なことを一度することではなく、日常生活の中に少しずつ備えを取り入れることです。
水や食品を少し多めに買う。
モバイルバッテリーを充電する。
ハザードマップを見る。
家族で避難場所を確認する。
まずは今日できることをひとつ増やしてみましょう。
防災は「知る・備える・行動する」。
普段の小さな備えが、いざという時の安心につながります。